「毎朝の儀式」
最近、毎朝絵を描いています。
そしてこの世に存在する物ではなく、「目に見えないもの」を描くことが増えています。きっと、アートに興味のない人からすれば、なんじゃこれ?的な感じだと思いますが、それもそのはず、なんだかどこかとつながったような感覚の時に浮かぶイメージだけに集中することで、生まれてきた作品ばかりだからだと思います。
少し前から、この作業がとても神聖に感じて、絵を描く時の服装も気になり始めて、色のある服ではとても気が散る感じがして、白のワンピースを買いました。
実は以前から、いろんなジャンルのアーティストや書家の方々が、白い服を着ているのを、「汚れるのになんで白なんだろ?」って疑問に思っていたんだけど、「ひょっとしたら、気を整えるために白だったんじゃないか」って私なりに理解したのもそんなことが自分自身にも起きているから。
昨日脱いだまま置いてある服なんてあったら、気になって集中できない。子供たちが起きる前、もしくは学校に行った後じゃないと、家事が気になって絶対無理なんです。そして、一番重要なのは、自分自身の状態がよくないといけないのです。洗顔も、保湿も、歯磨きも、髪の毛の身嗜みも整っていて。ほんとにいかに神経を研ぎ澄ますことのできる状態にできるかがとても重要で、何か引っ掛かりがあると、なーんにも浮かばないのです。
これをやりはじめて感じたのは、これって絵のインスピレーションを得る時だけではないのでは?ってこと。きっとこういう自分の状態を作るべきは、人生全体に言えることなんじゃないかって。
今日は何をしよう。
今日は何食べよう。
何時に寝よう。
そんなたわいもない一見小さい選択も。
仕事は何を選ぶ。
どんな人と結婚する。
そもそも結婚するかしないか。
どこに住む。
車買う買わない。どんな車にする。
家を建てる建てない。どんな家にする。
一般的に人生において一見大きい選択も。
絵を描く時のように、こんなに丁寧に準備しているかな。そう思ったら、普段の選択は結構雑ではございませんか?ってなりまして。私は絵描きだけど、絵を描くことを通して自分を見つめることになったな。
自分の心からの選択。毎日できてるかな?
私の生きる上での一つのガイドラインが浮かんできたのでした。
抽象画(アブストラクト)は、描いた後の爽快感というか充実感というか、そういう今まで感じたことのない感覚が独特だなと個人的には思います。自分も知らない自分の奥の奥の世界が浮き出るような。
毎日、白い用紙を前にして、ブワッと浮かぶイメージをできるだけ素直な筆動きで。その時輝いて見えるパレット上の絵具を筆にとりただただなぞる。描きながら、次の手が誰かからの指示のように次々浮かぶ、という不思議な感覚なんです。あえて言葉にしたなら、そんな風に描いています。
最後まで描き切った後、その絵を眺めると、私自身が描いたんだけど、そうとは思えない感覚もあって、ボーッとして私自身が癒されていくのがわかります。それが、ここ最近の私の一日の始め方。毎日、私にもどんな絵になるのか分からないので、どんな出会いがあるのか楽しみにしています。
もし私のように、生まれてくる作品たちが他の誰かも癒すのなら、めちゃ嬉しいとしみじみする今日この頃です!
いつも読んでくれてありがと!
またね!