マザー・テレサ

本の一節。マザー・テレサが、乾いた牛の糞と人々の投げ捨てたごみや腐った厨芥が、いっしょに埃となって舞い上がる町角で、死体かと見まがう状況で倒れている人たちを収容していた時代、拾われた人々の50パーセントが後日死亡したというニュースが流れたことがある。それを聞いて「どうせ死んでしまう人を拾って来たって長く生かせないんじゃしょうがないじゃないね」と言った人の言葉を私は聞いたこともあるのだが、その点にこそ、マザー・テレサの意図した事業の目的は有ったのである。-それは人間を動物ととらえるか、魂を持つ存在と考えるかの違いであった。ー曽野綾子著貧困の光景より

こそ、