「名刺デザインの不思議(2)」
私は、デザイン会社にいたのも独身時代の短期間で、
デザインらしいデザインをさせてもらえるようになるまでに辞めてしまっていて、
業界的な「普通」は知りません。
結婚後、子供達を出産、末っ子が幼稚園に通い初めてから
主人の会社でお手伝いを始め。
そんな再スタートでしたが、
誰からも教えてもらえるわけじゃないので
自分で試行錯誤していくうちに
自分なりのプロセスが自然に出来上がってきたなぁと思います。
責任を感じないお仕事はないけれど、
名刺デザインって本当にドキドキするんです。
その人の顔になる。そのあとの縁も変わる。そう思うからです。
なので、一番大事な作業が一番最初にあって
自分がしっかり感じられるまで、その人自身のこと、仕事や歴史、大事にしていることなどを
お伺いできる範囲で教えてもらう。
私が確認したいことを盛り込んで独自につくった「ヒヤリングシート」なるものに
答えを書いてもらい提出してもらいます。
そしてそのあと、自分の中に湧いたどんな小さな質問も聞かせてもらいます。
どんなことに重きを置いて過ごされているか。
どうしてこの仕事にいきついたのか。
この仕事の意味をどう捉えていらっしゃるか。
この名刺に何を求めるか。
名刺って本当はとても奥が深い。
文字の内容は全く同じでも
その表現が違うと、全く違うメッセージが伝わる。
ファーストコンタクトのコミュニケーションツールである上に、
その名刺の持ち主の宣誓なんじゃないかと思うのです。
今回の場合、既存しないご職業で、一般的な前知識も存在せず、
ヒヤリングの会話には長くおつきあいいただきました。笑
さぁ、全ての情報が入ったあとはこのお仕事の真の役割を分析・理解して、
ご本人希望の「主張しすぎない主張」というオーダーも抑えつつ、
どう組み合わせるか、どう表現するか、
ひたすらインスピレーションがくるのを待つ。
デザインアイデアの神様には、焦りは禁物(笑)!
或る日突然、稲妻に打たれたみたいにアイデアが浮かび、
洗濯物を干している最中だったので(苦笑)、
洗濯物をもったままノートの元へダッシュしてメモをとりました。
それからはほんとに早いです。
実際のデザインを彼女に初めてみてもらう時は
もう胃が上がる感じでドキドキで。
これはどんな仕事をさせてもらっていても、とても緊張する場面なんですが。
感動すらして鳥肌まで立ったと喜んでもらえた時は
ほんとにうれしくて、なによりホッとしました。
彼女の前途を良き縁へ導きますように。
もう神頼みです!(笑)
→「名刺デザインの不思議(3)」につづく
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「名刺デザインの不思議(1)」はこちら
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