甲子園の心を求めて

佐藤道輔氏の「甲子園の心を求めて」を読んだ。はじきに素晴らしい文章が有った。

今年もまた甲子園の季節がやってくる。
輝く太陽の光をうけて、一つのボールを追って死力をつくす選手たちの姿は、美しく、真摯で、見る者の胸をふるわせる。
しかし、私には、高校野球の真実が、華やかな舞台の甲子園にだけあるのではなく、他にも存在するように思えてならない。

全国の4000を超える高校野球チーム、その多くは、甲子園をはるか遠くにして敗れ去っていく。
予選の1回戦で敗れていったチームの中にも、甲子園の心を求めつづけ、輝いていたチームもあったのではなかろうか。
私は、一人の高校生として、いろいろなむずかしい条件や境遇と闘いながら、地味な努力をつづけ、その日まで汗とほこりにまみれて、ひたすら練習をつづけた選手たちこそ、甲子園の心を自らの青春の詩として体験したのだと思う。
私は甲子園の心は、汗の中にもがき、泥土の中に泣いた練習のグランドにあるのだと信じている。

ひたすら仕事に励み、家庭を守り、子供を育てる。
そこに人生がある。佐藤先生は、グランドで高校生に人生の歩む道を体験・実践させている。教育者を感じた。