大野正男

大野正男最高裁判事の「弁護士から裁判官へ」を読む。法律というものがどういうものか。最高裁がどうなっているのかを知る事が出来、勉強になる。大野先生が学んだ先任の松田二郎最高裁判事の言葉を本に援用している。「私は、最高裁の多忙なことは、かねて聞いていましたが、最高裁に入って、量的に多く、しかも、質的に困難な問題に直面して、全く仕事に忙殺されてしまって、今日に及んでおります。……私としてまず一番当惑したのは、難問が民事、刑事、行政、労働その他広い法域に亘っていることでありますが、しかし、先輩の裁判官がこれを手際よく捌いていられるのを見て、私は「神業」のように感じたのであります。……思えば神ならぬ身が、いわば、神々の仲間入りをしたようなものですから、忙しいのは当然のことだと、私は自分に言い聞かしている次第であります。」大野先生も最高裁判事中は、記録読みで等で他の本を読むことがほとんど出来なかったと書いている。

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