曽野綾子

 産経新聞「曽野綾子の透明な歳月の光」

 行政の甘やかしが日本人を怠惰にした。私も人並み以上に怠けていたい性格だが、野生動物を見てその精神を矯正されられた。ライオンもワニでも猿でも、動物は本来、自分で働いて餌を取らねば死ぬという原則に従っている。人間も例外でない。高齢者世代は、体力があるのに遊んで暮らせばいいという理想。若者たちは、働かずにいても最後は国が生活を保護してくれると考える。しかし、人間は、能力に応じて死ぬ日まで働くのが義務である。

 今の日本人の考え方は、王侯貴族や支配階級の特権的生き方で、今捨てる時に来ていると書いている。
 私自身も、怠惰の性格である。反省する。行動を起こしたい。