余録

 1月6日余録 ー箏曲家の宮崎道雄は子供のころの「寒稽古」について書いている。寒中に戸障子を開け放して、寒い方に向かって習った中の一番むずかしいものを、百篇とか、千篇とか繰り返して弾く。そして手が冷たくなると、反対に水をつけて弾きだす~厳寒の中での稽古はかえって精神を集中させ高めるためである。ー
 剣道も昔は、稽古着を水に付け、それを着て稽古をしたとある。10代、20代の話である。今は、更衣室には暖房がある。軟弱。集中力が高まらないように思える。しかし、健康が第一の世の中である。その分、飛躍は望めないのかも知れない。飛躍のため、少は自己に対して厳しくしようと思う。