ルポ貧困大国アメリカ

「ルポ貧国大国アメリカ」堤未果著、岩波新書発刊を読む。

 アメリカの貧困層がイラク戦争を担っている。彼等は、カードによる多重債務が多い。国内の職業では稼げない。イラク戦争の後方の仕事。輸送等のさまざまな業務である。年収は約700万円程度保障される。しかし、勤労条件は、①勤務時間12時間②週7日③休暇は四か月ごとに10日間与えられる。

 アメリカの多くの人々が、行っている。更に悪い条件で、フィリッピン、中国、バングラデシュ、ネパール、シエラ・レオネ等の人々もである。軍人さんがおこなってもおかしくない仕事をする。ただ、第一線に出ないというだけである。派遣社員である。命の保証も、医療保険も失業保険もない。

 労働時間が多く、生命の危険もある。仕事がきつい、仕事が合わない、条件が合わないと言って働かない人がいると言われている日本。幸せなのか、不幸なのか。国は持たないのではないか。

 イラク戦争が民営化されビジネスとなり、それは国家レベルの貧困ビジネスとなっている。そのため、社会の底辺に落とされた人々がそれに雇用れ、大量に消費されていくという現実が生まれていると本は指摘する。

  著者は、これを守るのは先人の英知が創った憲法だいう。アメリカ憲法であり、日本国憲法第25条だという。憲法を基にに声を上げ続けて、憲法に息吹きを吹き込み続けるべきだという。最後に彼女は言う。

 無知や無関心は「変えられないのでは」という恐怖を生み、いつしか無気感となって私たちから力を奪う。だから目を伏せて口をつぐんだ時、私たちは初めて負けるのだ。そして大人が自ら舞台をおりた時が、子どもたちにとっての絶望の始まりになると言う。

 憲法の大事さを知る。

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