武の心

津本陽の「武の心」を読んだ。

柳生新陰流宗家21世柳生延春と津本陽氏の対談がある。津本陽は、「剣の極意は攻撃精神の純粋維持」と言う。柳生延春先生は、上泉伊勢守の言葉「懸待表裏一隅を守らず」をもって話される。

 実際の斬り合いは、懸かる・待つ・表を攻める・裏を攻めるという四つの働きであるけれども、それが一つの技一辺倒ではダメなんだということです。「懸」は敵に先制攻撃をかけてやっける。「待」は、相手の攻撃を待って、それに応じてかわすこと。「表裏」は表を攻める、裏を攻める、そうやって変化して勝つことが、この「懸待表裏一隅を守らず」である。

 われわれは、とかく技なら技だけになってしまいやすいのです。それを、もっと柔軟な考え方を持って、技と自分の考え方とが逆になるものを自分の中に調和させて待つことにより、相手に適切に対応できるという。これは非常に卓越した考え方だという。

 津本氏は、「構え」と「位(くらい)」の違いと指摘する。

 柳生延春先生は、国連の日本フェアで新陰流を演武した。津本氏は、柳生兵庫助を毎日新聞に連載した。

 ここで言われている事を、心体で自得てきればと思う。大変な努力が必要。

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