債務整理と孤独

 4月19日付毎日新聞の「時代の風」に、精神医斎藤環氏が犯罪の裏にある孤独という題寄稿している。3月11日のドイツ南部で17歳の少年が生徒9人、教師3人銃殺した事件と加藤智大被告が起こした秋葉原事件の共通性が「孤独」だと指摘している。若者が犯罪に走る環境要因は多くある。その中で、「貧困」「虐待」が高い地位にあるが、「孤独」がそれと同様まて高まってきたと言う。ここでの「孤独」とは、同世代のコミュニケーション・サークルから疎外されることを意味している。更に、あくまでもイメージの問題としてと断って、いまや「貧困」も「戦争」も地獄ではない。あるいは「病気」や「不運」すらも。むしろ「孤独」こそが地獄なのだと述べている。

 今、消費者金融問題・借金問題に対する情報が、インターネット等で多く見られる。しかし、それでも債務者は、月々の返済に悩み、その解決策に悶々とする。収入は増えず、支払いは迫る、その他の生活支出は出て行く。八方塞がりになる。気持ちが落ち込み、どうすればよいのだと考える。相談はできない。孤独感が深まる。自己をいじめていく。上記の孤独は外に向かうが、債務の孤独は内に向かい、自らの命を絶つ。そう有ってはならない。上記の孤独の処方箋~人ぐすりが~であるが、債務の孤独は~相談~である。「孤独」に考えさせられた。