矢野誠一

10日付日経新聞夕刊。矢野誠一氏の「劣化する笑い」の記事が有った。笑いは、一種の自浄作用と言う。若き日の作家、吉川英治(宮本武蔵等を書いた大衆小説家)が川柳に詠んだ「貧しさもあまりの果ては笑い合い」の心境も、これに通じる。憂いを忘れるために集団で大笑いする時代の風景が、若年世代の危険を示しているとしたら、とても笑えない。豊かな笑いを取り戻すのには、人間関係を結んだり深めたりする穏やかな笑いを日常生活で心がけることだろう。そのためにはやはり、安心して笑顔を出せる社会にするしか道はないとと語る。笑の変化が、日本社会が激しく変化している事を表しているのかも知れない。変化に対応し、良い方向に持っていきたい。