伊集院静

 伊集院静「乳房」を読む。昭和40年代、大学の体育会運動部に私はいた。彼も立教野球部。運動部の一説には共鳴と共感を得た。
 話は飛躍するが。本の一節に祖母の言葉がある。「男の子、三人産んだら、人殺しのことをなじっちゃあいけないよって。女の子、三人産んだらお女郎さんのこと悪く言っちゃあいけないよって」
 半世紀前の日本は、兄弟が五、六人は、普通。父の兄弟は九人。その中で、子供を育て、生活する厳しさを考える。間違った道に進まない事を願う心と、世の中の無常さを表した一節と思った。刑事裁判に於ける判決の難しさはここにもある。

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