さだ まさし

 日経新聞プロムナード。さだまさしが、「少年の叫び」と題して書いている。
 58歳で歌手、作家という、いままでそこそこ社会から与えられ、ある程度は認められてきたつもりの己のキャリアなど、年齢的なことを含めて被害地の役に立たないものだということを思い知らされたと書く。日々自分の気持ちが萎えるなかで突き刺さった少年の叫びがあった。気仙沼階上中学校卒業生の答辞。この卒業生は、この災害に対応できなかった事を悔やみ、無念の心を語り、しかし「それでも天を恨まず」と叫んだ。僕は泣き、己を諦めず、懸命に生きよと少年の涙に叱られたと文を終える。
 東京虎の門の日本財団に書類を届けた。ロービーに、今から東北へ出発する学生ボランテャがさまざまな恰好をして集合していた。若さと強さを感じた。