本ー自閉症裁判レッサーパンダ帽子男の罪と罰

　裁判業務をやっているだけに、裁判と書いてある本があると購入してしまう。重い本である。東京の浅草であった事件。2001年4月30日午前10時30分19歳の短大女学生が凶悪通り魔に殺害された事件である。犯人は、高等養護学校の卒業生。裁判の中心は、自閉症であったか、自閉症傾向であったか等が争点。著者佐藤幹夫。国学院大学文学部卒の元養護学校教諭。被害者の立場、被告人の立場。被告人の障害者の面をどのように考えるかをそれぞれの人に考えさせるものである。だが、何の罪の無い女学生が突然殺された。この事実の重さをどう思い、一人の人間としてどう考えて行くかかである。

　名古屋の2007年の闇サイト強盗事件について、朝刊に、名古屋地方裁判所で被害者の母磯谷登美子さんが証言した記事が有った。

　「娘は殺されるために生きてきたのではない」人の命の大切さと、罪の重さがある。

事件は、時とともに風化する。一人ひとりが風化させてしまっては、社会を守れなくなるのかも知れない。

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