後朝(きぬぎね) 通用門から表に出るや、たかは鳩尾に手をあてた。ひとつ、切ない息をつく。 ほんに、うち、どないしたんやろー。 こんなはずではなかった。 相手は六つも歳下の、清廉実直な公子さまである。色恋には奥手の […]